旅52日目 この世の果てにガルパンおじさん2人
思い返すと、この日もかなり濃かった。
鏡沼海浜公園ライダーハウス〜PR106〜利尻礼文サロベツ国立公園〜ノシャップ岬〜稚内駅〜R238〜宗谷岬〜道の駅さるふつ公園キャンプ場
今日こそ地平線を見る。
天塩町から伸びる道々106号線、広義のオロロンラインに入る。
すると、すぐに視界が開けてくる。
地平線の見える、利尻礼文サロベツ国立公園だ。
地面から無数に生える風車と、その先に見える地平線に見とれ
「ああ、俺はここに来たかったんだな」
と頭ん中で呟く。
ホントに、俺と秋山さんと自転車以外、なんもない。
晴れてたらもっと先が見えて、利尻富士も見えるんだろうが、俺の心はもう十分満たされていた。
このシェルターみたいな建造物(実際車用のシェルターらしい)は、見えてから辿り着くまでにやたら時間がかかる。
このシェルター自体バカデカいうえに、他に距離を推測できるようなモノが無いからだと思う。
追い風で巡行35km/hくらい出る。
いつもは23km/h出ればいい方だから脅威だな。
向かい風じゃなくてよかった。
地平線ゾーンを抜けて、ノシャップ岬(notノサップ)へと向かう。
宗谷岬に次いで北端のノシャップ岬。そこのイルカ。
フリーWi-Fi飛んでるのが1番衝撃的だった。
あと風がかなり強いのと、やっぱり利尻礼文は見えなかった。
稚内市内の洋食屋のカツ丼。
食べログではボリュームがあるような事が書いてあり、期待していたが普通だ。
稚内駅にほど近い防波堤ドーム。
建設当時は最大級の建造物だったらしい。
野宿禁止だが、野宿する人があとを絶たないとのこと。
俺だったら、まあ、雨風をしのげるなら使いたいが。
まだ昼間なので先へ進む。
JR最北端の稚内駅。同じく最北端の道の駅が併設されている。
道の駅にはお世話になってるし、中を見て行こう。
塩ソフト買ったけど、塩味あんませんかった。
なんか旅人っぽいパッキングの自転車乗ってたから声かけたら全然通じねーの。
カタコトにカタコトな日本語と、これまたカタコトの英語、そして中国語混じりで何とか意思疎通できた。
ENGLISHをspeakするなんて、highschool以来だぜHAHAHA!
何やら日本縦断していて、今日はcape soyaに行ってきたらしい。
明日は輪行でAsahikawaに行くとのこと。
ほう、わざわざ香港から、ご苦労さまです。
とりあえずFB交換して、お互いの健闘祈ってサヨナラ。
・・・後でFB覗いたら重度の(日本文化)オタクだった。ついでに提督業とガルパンおじさんも兼任してた・・・。
もっと話しとけば良かったかなー。
11月に大洗のあんこう祭行くようなので、それまでに広東語勉強しとくか。
宗谷岬へ。
網走への300kmの表示がとてつもなく遠く感じる。
うぇんざっない!はずかむ!
・・・STAND BY MEって映画知ってるか?
いよいよ極北、宗谷岬だ。
やはり実感は湧かないな。
宗谷岬周辺は平坦で、商店や食堂が多く、佐多岬行った時のような苦労は無かった。
実感が湧かないのはそのせいか?
何だか肩透かしを食らったような気分だ。
宗谷岬へ行った記念のステッカーや証明書があるそうだ(東西南北端には大抵ある)が、俺は全くそういうものに興味がない。
行ったという記憶があればいーのだ。
日本海からオホーツク海へと舞台は変わり、海沿いの国道を南下する。
次なる大目標は最東端の納沙布岬だ。
この国道は左右を森に覆われていて、やはり「出そう」な雰囲気がある。
いつでも全速力を出せるように、脚をためておく。
すると、右側に砂利の側道が伸びていて、だいたい50m向こう側に、何やら茶色い、普通自動車より一回り小さいくらいのカタマリが見えた。動いたような気もする。4本足だったような気もする。
戦慄。
友人にLINEで聞く。
「クマって黒いよね???茶色ぢゃないよね?????」
友人より
↓↓↓
:(;゙゚'ω゚'):
俺は自転車を漕いだ。
全速力では無いが、可及的速やかにここから離れようと思った。
万一の時のために、まだ脚をためておこうーーーーー
20分ほど進むと、やっと人気のある場所へ辿り着いた。
まぢで生きた心地がしなかった。
猿払の道の駅にはキャンプ場と銭湯が併設されている。
ちょうど良い距離だったので、今日はここに落ち着こう。
ところで、猿払のセイコーマートで夕食でも買おうと店内でパンを物色していたのだが、そこでとあるマダムに呼び止められ、夕食にとパンやデザートを持たされた。
若干疲れたような目をしている、70前後の女性だ。
マダムの話では、息子がニュージーランドに移住してしまって、今はひとりらしい。
今まで、人にモノをあげるなんてことは無かったが、俺を見ると、なぜかその息子さんを思い出すそうだ。
息子さんはもう向こうに家族がいて、戻ってくる気配なんて微塵もない。
マダムが話す姿は、どこか寂しそうだった。
どこからですか?
新潟です
そう、遠いわね
いえ、ニュージーランドに比べたら・・・
今日はどこへ行くの?
すぐそこの道の駅にキャンプ場があるので、そこへ・・・
そう、山の方は(熊がいて)危ないから、来ちゃダメだよ
はい・・・
(なぜ日本最北端の地で、このような事が起こるのだろう・・・)
お礼を言って、父の日には家に電話しようと思います・・・五体満足で家に帰りますと言ったら、笑って、マダムは山側の道へ帰っていった。
俺は少し、たった今起こったことを再確認して、マダムの消えた道の方を見た。
マダムはもういなかった。
熊のことなど、もうどうでもよくなっていた。
本日の記録
走行距離:141km
出費:2456yen
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